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桜草



個人的な話をしていいですか。
昨日見た夢のことなのですが。


私は逃げてました。
その自分の背中を見ていました。
撃たれました。
瞬間、私はしっかりと自分の身体に納まり、
背中の痛みを感じました。

2発 3発 4発 5発

確実に皮膚が破れる感覚がありました。
本当に、本当にこれで、
自分は消えてなくなってしまうのだと精神が恐怖に揺れました。
それは何度も感じた震えでした。
だからむしろ慣れてしまったのかもしれません。
身体が地面に着地したときには、意外に落ち着いてました。

土が冷たい。ゆっくりと身体が体温を失っていく。



けれど私はまだ生きていた。

柔らかく長い草の葉が頬を触るのに気付きました。
薄く目を開けると、
どうやら背中の方から伸びてきているそれが見えました。

振り返ると、花が咲いていました。
皮膚を突き破るように背中に5つの花が咲いていました。


私は状況をうまく把握できなかったのですが、
緑色に光る葉と、鮮やかな花弁を広げる自分の背中をみて、
こんな風に木も小さな植物も
からだに花が咲く瞬間はけっこう痛いものかもしれないな、と
ただそんなことだけ、ぼんやりと思いました。

いつの間にか私の全身は葉と花を被り、
それらは徐々に身体の下に広がっていた黒い土を覆い、
野が現れ、緑は限りなく延々と広がり、
私はもうどこにいるのかわからなくなりました。


それだけです。
目が覚めたら、いつもの部屋でした。










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by Dasein100-1 | 2004-12-07 00:20 | 013 桜草